お知らせ

掲載日:2024.08.27

2024年7月29日、法学部講師の津田久美子が担当する「演習Ⅰ・Ⅱ」(津田ゼミ)では、特定非営利活動法人国連UNHCR協会の山下芳香さんにお越しいただき、講演会を開催しました。
国連UNHCR協会とは、国連の難民支援を行う専門機関であるUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の活動を支える日本の公式支援窓口です。山下さんは国連UNHCR協会の札幌拠点でファンドレイジング(寄付金等資金調達)や啓発活動に従事されています。
津田ゼミでは、1学期の学習テーマのひとつを「難民」として、世界の難民問題や日本の難民支援について学び、特に難民支援における地方自治体や地域企業の役割についてリサーチと発表を行いました。札幌市はUNHCRが進めるキャンペーン「難民を支える自治体ネットワーク」に参加しており、私たち市民としても難民支援の輪をどのように広げていけるのかを考えました。
そこで山下さんからは、実際に難民支援に従事されてきたお立場から、難民問題の現状や支援の意義、私たちができることなどを教えていただきました。たとえば、実際に山下さんが視察に行かれたウガンダでは、難民が自身で住居の整備を行ったり、経済活動に参加していけるような受け入れ政策が実施されており、難民の尊厳や自立性の重視はもちろんのこと、受け入れ国の社会・経済へプラスの影響ももたらされるという好循環が生まれているということでした。日本や札幌にいると「助けてあげる」というイメージを持ってしまいがちですが、難民は私たちと何ら変わらない一人の人間であり、どうやって一人ひとりがより良く生活し共に生きていけるのかを考えるという視点が難民政策にも重要であることが伝わってきました。
ご講演の後には学生からの質問の時間を設けました。ゼミでのリサーチから得られた発見や疑問点を山下さんへ投げかけるなど、学びを生かした質問が相次ぎ、活発な議論が展開されました。