研究の成果として、法学部教員の近著を紹介します。

  • 2022
  • 2021
  • 2020
  • 2019
  • 2018
  • 2017

2022

高橋美野梨准教授

Borders in East and West: Transnational and Comparative Perspectives (Making Sense of History, 45)

Stefan Berger and Nobuya Hashimoto (eds.)

(執筆担当:The Horizon of Border Studies: U.S. Military Bases as a Network of Exclaves)
本書の目的は、東アジアとヨーロッパーー特に中央・東ヨーロッパーーの境界現象を、経済、観光、食糧生産から民族、移民、占領に至るまで、多様なテーマを通して比較検討することにより、普遍性というベールに包まれ、我が世の春を謳歌してきた欧米発の境界研究(border studies)の視角を地方化し、実態空間/集合認識を含む境界現象の再解釈を促すことにある。

出版社:Berghahn Books
発行年月:2022年9月

高橋美野梨准教授

世界の基地問題と沖縄

川名晋史編著

(執筆担当:第2章 デンマーク/グリーンランド)
“動かない基地"を問う
13の国と地域を比較分析。基地の歴史、基地問題、地位協定、沖縄への含意――学知の先に現実的な選択肢はあるか。
◎ 「歴史」の縦軸と「海外との比較」の横軸。2つの軸から現実を捉えなおすことで、 “動かない沖縄の基地問題"の解決策を探る。
◎ 2021年刊行の専門書『基地問題の国際比較』の反響をふまえ、 比較対象数も増やしてさらに発展させつつ一般読者向けにコンパクト化。
◎ 欧州/中東・アフリカ/アジア・太平洋/米領にある基地を比較し、 歴史や基地問題、その解決に向けた政策、地位協定の要点を解説。

出版社:明石書店
発行年月:2022年08月

館田晶子教授

世界の憲法・日本の憲法

新井誠・上田健介・大河内美紀・山田哲史編

(執筆担当:第13章 国民・市民・外国人)
社会や憲法に関わるトピックから学びはじめる、比較憲法の入門書。現代国家が抱える課題に対し、世界の憲法と日本の憲法はどう向き合っているのか、各国の憲法規定・判例・運用を比較した。従来の類書に見られる国別の紹介ではなくトピック毎に項目立てしたこと、欧米先進国だけでなくアジアや中南米、アフリカなど、文字通り世界中の憲法を対象としているのが特徴。
出版社サイト:http://www.yuhikaku.co.jp/books/detail/9784641228344

出版社:有斐閣
発行年月:2022年7月

谷本陽一教授

法学概説

神野潔・岡田順太・ 横大道聡編

(執筆担当:第4章 法の適用と解釈)
「教養」としての法学入門を追求
社会が複雑・多様化する今日、その「共通言語」となるべき「法」の基本的な知識・思考の習得が、一層重要となっています。そこで本書は、法学専攻者だけでなく理系も含めた非法学部生まで視野に入れ、リベラルアーツや教養といえるレベルで法学を学べ、さらにそれを社会で活かすことをイメージできる概説書を目指しました。法学の立体的な理解が可能になる、法学入門の新たなスタンダードです。

出版社:弘文堂
発行年月:2022年5月

菅原寧格教授

価値相対主義問題とは何か

菅原寧格

「本書では、価値相対主義とそれに対する異論や反論、正義を含めた価値相対主義に関する法思想史上の問題を扱う。それゆえ、読み手には、価値相対主義問題とどう向き合うか、現代正義論に対してどう構えるか、その姿勢が問われることになる。」(まえがきより)。価値相対主義問題は時代遅れなのか? ジョン・ロールズの『正義論』以降、価値相対主義問題を解決済みとみなす現代法哲学の“常識”を問い直す。

出版社:信山社
発行年月:2022年2月

中根研一教授

中国文学をつまみ食い 『詩経』から『三体』まで

武田雅哉・加部勇一郎・田村容子編著

(執筆担当 「5 『山海経』」・「6 『捜神記』」・「33 蒲松齢『聊斎志異』」・「65 高行健『逃亡』」・「コラム3 美少女戦士の元祖ー聶隠娘」)
古代から現代まで、膨大な作品群の中から厳選された72項目を、29名の執筆者が解説した中国文学ガイドブック。
どこから読んでもOKで、好奇心の小腹を楽しく満たしてくれる一冊。気の向くままに好きなところから好きなだけ「かじる」ことができ、さらに食べたくなったら(興味が湧いたら)参考文献で挙げられている作品自体をじっくり味わってみる……という読書のハシゴも可能にする、やさしく詳しい中国文学入門書。

出版社:ミネルヴァ書房
発行年月:2022年2月

2021

高橋美野梨准教授

Exploring Base Politics: How Host Countries Shape the Network of U.S. Overseas Bases (Routledge Advances in International Relations and Global Politics)

Shinji Kawana and Minori Takahashi (eds.)

(執筆担当 Introduction, Chapter2: Rethinking the Politics Surrounding the US Military Base in Greenland with a Focus on Non-material Factors, Conclusion)
本書の目的は、米国の海外基地をめぐる政治(base politics)のメカニズムを、接受国側の基地に対する態度、応答、政策に着目しながら明らかにすることにあった。第1章にて基地研究の系譜が整理され、当研究の現在地が明らかにされたのち、2~9章ではケーススタディとして、グリーンランド(デンマーク)、イタリア、スペイン、ドイツ、トルコ、サウジアラビア、シンガポール、韓国が取り上げられている。

出版社:Routledge
発行年月:2021年

寺島壽一教授

はじめての憲法学 第4版

中村睦男・佐々木雅寿・寺島壽一(編著)

(執筆担当 第0講(イントロダクション)、第12講(経済的自由権)、第15講(刑罰・刑事手続と憲法)、第20講(違憲立法審査制))
本書は、大学生としてはじめて憲法を学ぶ人や、憲法に関心をもっている一般市民の皆さんを対象として書かれた、初学者向けの憲法入門書です。本書では、憲法学の基本的な問題として23のテーマを選び、第1講〜第23講の各講でそれを解説しています。その際、取り上げる問題をなるべく具体的にイメージしてもらえるように、各講のはじめに「設問」をかかげ、それを切り口として憲法問題を解説しています。

出版社:三省堂
発行年月:2021年9月

内藤貴司講師

スポーツ現場における暑さ対策-スポーツの安全とパフォーマンス向上のために

大谷 秀憲(著)、細川 由梨(著)、安松 幹展(著)、中村 有紀(著)、田中 英登(著)、林 聡太郎(著)、中村 真理子(著)、内藤 貴司(著)、浅田 佳津雄(著)、笠原 政志(著)、山本 利春(著)、石橋 彩(著)、星川 雅子(著)、柳岡 拓磨(著)、長谷川 博(著、編集)、中村 大輔(著、編集)

(執筆担当:コラム1 競技現場における身体冷却: JISSにおける実践例)
暑熱環境が身体やパフォーマンスに及ぼす影響に焦点をあて,科学的なデータをわかりやすく編集した。一般的な熱中症予防・対処法に加え,実践的な暑さ対策としてこれまで挙げられている水分補給,暑熱順化,身体冷却の理論的背景と実践例,暑さの中でも良好なコンディションを維持するための睡眠,栄養,リカバリーを網羅している。専門家やアスリート,コーチや学生のみならず,スポーツを愛好する一般の人にも役立つ内容である。

出版社:NAP
発行年月:2021年6月

高橋美野梨准教授

Permafrost and Culture: Global Warming and Sakha Republic (Yakutia), Russian Federation (CNEAS Report Book 26) (English Edition)

Hiroki Takakura, Yoshihiro Iijima, Vanda Ignatyeva, Aleksandr Fedorov, Masanori Goto and Toshikazu Tanaka (eds.)

(執筆担当 Chapter 11: Political Systems and Sustainable Future in the Arctic)
本書は、ロシア連邦サハ共和国(ヤクーチア)の人々の生活に焦点を当てつつ、グリーンランドとの比較、地球気候システム、さらには国際政治の動向を加味しながら、気候変動が北極域の人間社会に及ぼす影響を理解しようとするものである。

出版社:Center for Northeast Asian Studies, Tohoku University
発行年月:2021年3月

岩坂将充准教授

『議会制民主主義の揺らぎ』

岩崎正洋編著

(執筆担当:第6章「民主主義の後退と政治の『大統領制化』の射程―トルコの事例から」)
先進工業諸国は、政党の衰退や議会の地位低下、執政府の肥大化やポピュリズムなど、議会制民主主義にまつわるさまざまな問題を共有している。本書では、こうした状況を分析するとともに、政治的リーダーシップの重要性をフランス、イギリス、スペイン、ポルトガル、トルコ、日本の多国間比較から論じた。

出版社:勁草書房
発行年月:2021年3月

岩坂将充准教授

『「境界」に現れる危機(シリーズ・グローバル関係学2)』

松永泰行編

(執筆担当:第5章「対クルド政策―トルコ国家とクルド問題の変容」)
さまざまな関係性やその変化に着目しグローバル社会を読み解く、シリーズ・グローバル関係学(全7巻)の第2巻。本書は、国家と制度の「境界」面に注目し、思いがけなく生じたグローバルな危機をとらえようとするものである。ここでは、紛争介入、民族問題や難民といった、国家の枠組みを越えて生じる現代の危機について、過去・現在・未来をとおる通時的な関係性の「錯綜」点から説明が試みられている。

出版社:岩波書店
発行年月:2021年2月

高橋美野梨准教授

基地問題の国際比較:「沖縄」の相対化

川名晋史編著

(執筆担当 第8章:対話の基地政治――グリーンランド・チューレ空軍基地の今日的位相)
世界の基地問題の比較を行い、そこから沖縄基地問題解決のための政策を導出する国際共同研究の成果。基地接受国・地域で展開される紛争とその発生要因を、当地の歴史・文化・宗教的背景をおさえた執筆者たちが解明する。

出版社:明石書店
発行年月:2021年1月

2020

高橋美野梨准教授

捕鯨と反捕鯨のあいだに:世界の現場と政治・倫理的問題

岸上伸啓編著

(担当箇所 第一部 捕鯨の現場―商業捕鯨、先住民生存捕鯨、クジラの観光資源化「現代グリーンランドにおける捕鯨と儀礼」)
捕鯨の何が問題なのか? 先住民捕鯨の最前線から、反捕鯨運動まで。国立民族学博物館共同研究「捕鯨と環境倫理」の成果を書籍化。 世界各地の捕鯨の現場や利用実態の報告、日本のIWC脱退を中心とした政治的問題の解説、反捕鯨運動・環境思想の視点からの考察など、さまざまな立場・専門の論者による寄稿16篇を収録する。

出版社:臨川書店
発行年月:2020年11月

館田晶子教授

『フォーカス憲法 事例から学ぶ憲法基盤』

加藤一彦・阪口正二郎・只野雅人編著

(担当箇所 「事例5・国籍」「事例6・外国人の人権」)
憲法を更に深く学びたい人のためのテキスト。45の事例についての設問と解説で構成されています。古典的な重要テーマから最新の社会問題を想定したテーマまで、憲法の基盤になる理論を、具体的な事例を通して学ぶことができます。発展的なテーマについても設問と文献案内でフォローアップしています。専門ゼミでも使えるテキストです。

出版社:北樹出版
発行年月:2020年10月

谷本陽一教授

『民法改正と不法行為』

大塚直[編]

(担当箇所 第6章 原始的不能)
2020年4月から施行される新しい民法は、不法行為法を直接の改正対象とはしていないが、時効制度や中間利息の控除など、その影響が不法行為に及ぶ事項も改正対象となっている。本書は、この改正が、不法行為に関する従来の判例理論・学説・実務にどのような影響を与えるかを明らかにするものである。

出版社:岩波書店
発行年月:2020年4月

瀬川行太准教授

『刑法演習サブノート210問』

井田良・大塚裕史・城下裕二・高橋直哉編著

(担当箇所 実行の着手(1)、実行の着手(2)、早すぎた結果の発生、不能犯(1))
刑法学全般にわたる重要項目を漏れなく選び、授業や教科書で学んだことを簡単な設例・設問で確認できるような本はできないだろうかとの狙いのもとに作成されたのが、本書です。本書は、刑法総論と各論の全般にわたる210の基本的項目をとりあげています。1つの項目につき表と裏の2頁の形式となっていて、表の頁には簡単な設例・設問、裏の頁には簡潔な解説が掲載されているため、読者にそれほど負担がかからないようになっています。本書に取り組むことで、初学者の方は刑法の基礎固めをすることができ、法科大学院の学生の方は、知識の欠落部分を補うことができるでしょう。

出版社:弘文堂
発行年月:2020年4月

高橋美野梨准教授

北極の人間と社会:持続的発展の可能性(スラブ・ユーラシア叢書14)

田畑伸一郎・後藤正憲共編著

(担当箇所 第10章「開発と先住民族」)
急変する北極域の気候変動と環境変化が、人間社会にどのような影響をもたらすのか、また、私たち人間はそれにどのように対応するべきかを、経済発展、環境と社会、国際関係とガバナンスの視点から検討。北極域の持続的発展の可能性を探る。

出版社:北海道大学出版会
発行年月:2020年3月

2019

高橋美野梨准教授

The Influence of Sub-state Actors on National Security: Using Military Bases to Forge Autonomy (Springer Polar Sciences)

Minori Takahashi (ed.)

(担当箇所 Introduction: The Influence of Sub-state Actors on National Security, Chapter2: Greenland’s Quest for Autonomy and the Political Dynamics Surrounding the Thule Air Base, Conclusion: The Political Choices of Sub-state Actors and the Politics Surrounding U.S. Military Bases)
世界中に展開されている米軍基地。その配置に、受け入れ国や自治体の意思はどこまで反映されているのか。本書では、グリーンランド(デンマーク)、沖縄、オロンガポ(フィリピン)を事例に、地方政治主体-中央政府間の接受国内政治、設置国である米国、さらにはロシアの動向を加味しながら、米国の意思決定とローカルな声の相互作用を検討している。

出版社:Springer
発行年月:2019年

高橋美野梨准教授

映画のなかの「北欧」:その虚像と実像

村井誠人・大島美穂・佐藤睦朗・吉武信彦共編著

(担当箇所 第38章「グリーンランド映画を語る」、第60章「植村直己物語」)
スウェーデン、フィンランド、デンマーク、アイスランド、ノルウェー……、北極海からバルト諸国を含めた地域として知られる「北欧」。福祉に限らず、歴史、政治、経済、環境、産業デザイン、教育、文学、音楽、絵画など幅広い分野に広がる北欧の“虚像と実像”に迫る。37名の筆者が60本以上の北欧の映画を、〈ストーリー〉・〈作品の背景と現実〉・〈さらに興味のある人に〉の観点から幅広く紹介。

出版社:小鳥遊書房
発行年月:2019年11月

館田晶子教授

『二重国籍と日本』

国籍問題研究会編

(執筆担当:第6章「国籍をめぐる世界の潮流」)
国際結婚が当たり前になった現代において、重国籍は身近なものとなりました。日本の国籍法は重国籍を原則的には認めていませんが、そこにはいくつもの例外があり、にもかかわらずその内容や運用はあまり知られていません。更に、台湾出身者の国籍については外交問題とも絡んで複雑です。本書は、ジャーナリスト、弁護士、当事者、研究者など多彩なメンバーが、前半で台湾と日本のハーフ(ダブル)の国籍問題について、後半では重国籍の扱いを巡る日本の国籍法の問題点と国際的潮流について、わかりやすく解説します。

出版社:筑摩書房(ちくま新書)
発行年月:2019年10月

瀬川行太准教授

『刑事法の理論と実務①』

佐伯仁志・高橋則夫・只木誠・松宮孝明編者

(担当箇所 理論刑法学の最先端:「犯罪論における同時存在原則について」)
本書は、特定のテーマにつき、裁判官・検察官・弁護士各分野の実務家と研究者の諸論稿を掲載し、理論刑法学と判例・実務の架橋を目指すものです。また、理論刑法学を活性化させるために、「論争刑法」、「理論刑法学の最先端」、「海外の動向」なども、柱として盛り込まれています。更に、巻頭においては、これまで刑法学会を牽引されてきた諸先生方の論稿も掲載されています。

出版社:成文堂
発行年月:2019年7月

岩坂将充准教授

『教養としてのヨーロッパ政治』

松尾秀哉・近藤康史・近藤正基・溝口修平編著

(担当箇所 第22章「トルコ」)
さまざまな事例をとおして、ヨーロッパ諸国の歴史、政治制度、政策などの理解を目指す入門書。本書は①西欧、②南欧・北欧、③中・東欧、④旧ソ連地域、そして⑤EUとトルコの5部構成となっており、全22章にわたってヨーロッパの国や地域を解説している。また、コラムやエッセイも豊富であり、ヨーロッパ政治を網羅的にとらえることのできる数少ないテキストであるといえるだろう。

出版社:ミネルヴァ書房
発行年月:2019年6月

岩坂将充准教授

『トルコ(シリーズ・中東政治研究の最前線1)』

中村覚監修・間寧編著

(担当箇所 第8章「国内治安―クルド問題における和平の試みと失敗」)
「中東政治研究の最前線」シリーズの第1巻。日本・トルコ関係をはじめ、多文化主義、市民社会、政治体制、政党制、地方行政、外交、国内治安、政治と経済といったテーマから現代トルコを分析した本書は、政治学や地域研究の視点を組み合わせることによって、これまで困難であった体系的な理解を可能にするものである。現代トルコを知るための必読書。

出版社:ミネルヴァ書房
発行年月:2019年6月

岩坂将充准教授

『大統領制化の比較政治学』

岩崎正洋編著

(担当箇所 第10章「議院内閣制の『大統領制化』から『大統領制化』された大統領制へ―トルコにおけるリーダーシップと改憲国民投票」)
構造的要因を背景とした政治的リーダーへの権力集中を意味する「政治の『大統領制化』」という現象に注目し、各国の最新状況を「大統領制化」の観点から分析した。本書で取り上げられる国には、ドイツ、イギリス、フランス、ベルギー、オーストリア、スウェーデンといったヨーロッパ諸国だけでなく、イスラエル、ロシア、トルコ、そして日本も含まれている。広範で政治的背景も異なる国々での「大統領制化」を議論した、まさに比較政治学的な一冊である。

出版社:ミネルヴァ書房
発行年月:2019年5月

高橋美野梨准教授

日本ネシア論 (別冊『環』25)

長嶋俊介編著

(担当箇所 第13遍 北ネシア「日本のなかの北極、北極のなかの北海道」)
「島」に光を当てると、どんな日本が見えてくるのか?多様な島の集合体「日本ネシア」として、離島から日本を多角的に捉え直す。日本は七千近い島々からなり、国の広がりを「列島」という言葉で表す。しかし陸地のみを「国土」とするのではなく、管理水域の基点となる島を念頭に置くと、「列島」日本観に揺らぎが出てくる。遠い島ほど国益のかかる存在となった21世紀、12のサブネシアからあたらしい日本の見方を提示する。

出版社:藤原書店
発行年月:2019年5月

神元隆賢教授・飯野海彦教授・瀬川行太准教授

『刑事法入門』

神元隆賢・飯野海彦・瀬川行太著

(担当箇所 神元:第1・6・12章、飯野:第7〜11章、瀬川:第2〜5章)
法学部に入学したばかりの学生を対象とした刑事法の入門書。刑法、刑事訴訟法、刑事政策の概要とくにそれぞれの法分野の思考方法の違い、刑罰の意義とそれを巡る刑事法思想の歴史的展開を第1章で、罪数論を第6章で扱っている。各章の核心部分を冒頭にて把握し、読破後にそれを答案構成する手助けをしようという試みとして、冒頭に、定期試験を想定した「Question」、末尾にヒントに当たる「Questionへの考える視点」を置いている。

出版社:一学舎
発行年月:2019年4月

津田久美子講師

グローバル・タックスの理論と実践

上村雄彦(編著)

従来の主権国家体制では、地球規模課題への対処に必要とする資金を効果的に集め、再分配する仕組みをうまく機能させることに限界がある。本書が論じるグローバル・タックスとは、その限界を乗り越え、国民国家の内部に留まる税制を地球規模で制度化しようとする新しいグローバル・ガバナンスの構想である。その革新的な構想の可能性と課題について、著者たちが理論的・実践的な観点から検証する。

出版社:日本評論社
発行年月:2019年3月

岩坂将充准教授

『「アラブの春」以後のイスラーム主義運動』

高岡豊・溝渕正季編著

(担当箇所 第6章「世俗主義体制における新たな対立軸の表出―トルコ・公正発展党と『国民』の世俗主義」)
2011年頃から始まった中東の政治変動、いわゆる「アラブの春」では、民衆によって次々に長期独裁政権が倒され、それまで抑圧されていたイスラーム主義運動は各国で自由と権力を手に入れていった。しかしその後は国づくりの過程で挫折し、運動はふたたび苦境に立たされている。こうした挫折はなぜ生じたのか、中東におけるイスラーム主義のあり方や国際社会への影響を考える。

出版社:ミネルヴァ書房
発行年月:2019年3月

横山純一教授

『転機にたつフィンランド福祉国家―高齢者福祉の変化と地方財政調整制度の改革』

横山純一著

本書は、1990年初頭の大不況時から今日までのフィンランドの財政・税制、社会保障、雇用、地方財政調整、地域経済を、現地調査を踏まえ分析したものである。フィンランドは良好な経済と財政を背景に1980年代後半に福祉国家となったが、1990年以降、大不況とEU加盟、リーマンショックとその後の長引く経済不振のなかで、福祉国家が変容した。民営化、規制緩和、福祉の見直し・削減、福祉給付の抑制が進むとともに、高い失業率に苦悩している。これらを実証し、フィンランドが転機にたっていることを明らかにした。

出版社:同文舘出版
発行年月:2019年1月

高橋美野梨准教授

共振する国際政治学と地域研究:基地・紛争・秩序

川名晋史編著

(担当箇所 第2章「政治的取引財としてのチューレ空軍基地――デンマーク国内交渉を中心にして」)
今日の我々はグローバリゼーションの急速な進展と他方での地域主義/国家主義への揺り戻しの中に生きている。本書は、国際政治学と地域研究の協働、すなわち、グローバルな問題が地域にいかなる波及効果をもたらし、そこでの様態と反応が逆にいかにどの程度グローバルな世界に影響を及ぼしうるのかを解明する。

出版社:勁草書房
発行年月:2019年1月

2018

四ッ谷有喜教授(法科大学院)・谷本陽一准教授

『論点体系 判例民法<第3版>7』

能見善久 加藤新太郎 編集代表

(担当箇所 四ッ谷教授は「寄託」「組合」「終身定期金」「和解」、谷本准教授は「請負」を執筆。)
最新の逐条解説式判例コンメンタール。条ごとに、実務家が押さえておきたい法律上の問題点を体系化し、論点ごとに判例の到達点をわかりやすく明示。初版以来、現在の判例の到達点を解説することに主眼をおいた構成がロースクール生・実務家に高く評価されてきた本書が、第3版では、最新判例・裁判例を大幅に補充し、民法改正に完全対応。特に、従来の判例と新規定の関係についての解説は読者必見。

出版社:第一法規
発行年月:2018年12月

中根研一教授

『UMA事件クロニクル』

ASIOS編著

(担当箇所 「野人(イエレン)」、「天池水怪(チャイニーズ・ネッシー)の項。)
超常現象の懐疑的調査のための会ASIOSによる、いわゆる「未確認動物(UMA=Unidentified Mysterious Animal)」事件を検証した一冊です。世界を騒がせた44件の有名なUMA事件を、年代ごとに考察。客観的事実やデータを元に、生物学・民俗学・文学等様々なアプローチで真相に迫ります。中根担当箇所では、現代中国の未確認動物事件を、その歴史的・社会的・文学的背景に注目しながら読み解いています。

出版社:彩図社
発行年月:2018年8月

中根研一教授

『ゆれるおっぱい、ふくらむおっぱい 乳房と図像と記憶』

武田雅哉編

(担当箇所 未確認動物〈野人〉のおっぱい)
共同研究プロジェクト「「乳房」の図像と記憶——中国・ロシア・日本の表象比較研究」の成果を中心とした、乳房論。様々な文化領域を専門とする執筆者たちが、豊富な図版とともに日本・中国・西洋の乳房の表象を真面目に読み解き、それぞれの地域・歴史の中で育まれてきた乳房観を概観しています。文学・美術・映画作品や、漫画・秘宝館に到るまで、その多彩なイメージの世界を紹介する一冊です。

出版社:岩波書店
発行年月:2018年5月

井上睦講師

『パワーから読み解くグローバル・ガバナンス論』

大芝亮・秋山信将・大林一広・山田敦編集

さまざまなアクターがひしめき合い,紛争,貿易,人の移動といった数多くの問題を抱える国際社会。この政府なき国際社会における統治のあり方を,問題領域ごとに丁寧に説明していく。進展著しいグローバル・ガバナンス論を「パワー」との関係から読み解くテキスト。
執筆担当章は、第9章「福祉」。

出版社:有斐閣
発行年月:2018年4月

菅原寧格教授

『法の理論36』

長谷川晃・酒匂一郎・河見誠編集

本書は日本法哲学会会員を中心とした論文集で、内容は特集・論文・前巻特集へのコメントとリプライ・反論と意見から構成されています。本号には、論文「中国における〈市民社会〉と〈法〉の行方―近時の市民社会論に寄せて―」を寄稿し、日中双方の学者による議論をベースにしつつ比較法学の視点も取り入れ、中国における市民社会と法の支配をめぐる問題について、これが日本の法学にとって決して無関係ではないことを論じました。

出版社:成文堂
発行年月:2018年3月

岩坂将充准教授

『中東・イスラーム世界の歴史・宗教・政治―多様なアプローチが織りなす地域研究の現在』

高岡豊・白谷望・溝渕正季編著

(担当箇所 第8章「現代トルコにおけるイスラーム・世俗主義・軍」)
中東およびイスラーム世界の各国の歴史・宗教・政治について、人々とのかかわりやフィールドワークをとおして分析した論集。モロッコ・アルジェリア・エジプト・アフガニスタン・トルコ・シリアといった中東諸国だけでなく、アメリカやタイなどの現代イスラームと関係の深い国も取り上げられている。また、古代から現代にいたるまで幅広い時代を扱っているのも、本書の特徴である。

出版社:明石書店
発行年月:2018年2月

2017

若月秀和教授

『冷戦の終焉と日本外交―鈴木・中曽根・竹下政権の外政 1980-1989年』

若月秀和著

1982年に首相となった中曽根康弘は、日本を「西側の一員」として明確に位置付け、ソ連に対抗する形で、レーガン、全斗煥、胡耀邦ら米韓中首脳たちと個人的親交を深め、国際社会における日本の存在感をアピールすることに成功する。圧倒的経済力を背景に、国際貢献に乗り出す日本外交だったが、その思惑は冷戦構造の終焉とリクルート事件による国内政治の混迷により、失速を余儀なくされた。

出版社:千倉書房
発行年月:2017年12月

寺島壽一教授

『世界の人権保障』

中村睦男・佐々木雅寿・寺島壽一(編著)

本書は、主要国における人権の保障と救済制度について、その現在の姿に重点を置きつつ、概観を試みた解説書です。人権の保障・救済制度化具体的なあり方は国により様々ですが、「人権」という概念そのものに「国・地域の違いを超えた普遍的な価値」という意味合いが含まれています。そこで本書では、人権の普遍性にかかわって、人権思想の歴史・人権の哲学的根拠、人権の国際的保障についても概説しています。

担当箇所:第5章 ドイツ(Ⅲ5を除く)

出版社:三省堂
発行年月:2017年9月

本田宏教授

『参加と交渉の政治学 ドイツが脱原発を決めるまで』

本田宏著

長年、原発問題の政治学を研究してきた日本では数少ない研究者としての成果である。①社会運動などへの市民参加,選挙競争,交渉の3つの論理を批判的なジャーナリズム,積極司法,批判的専門家団体などの要素が補完するシステムとして,ドイツ政治を包括的に捉えた。②脱原発を決定するまでに積み重ねられてきた政治過程の流れ、政策決定の条件、意見の異なる主体同士が相互作用を通して合意を形成していく過程を取り上げている。
以下に書評があります。
http://dokushojin.com/article.html?i=2130
http://www.h-up.com/books/isbn978-4-588-62537-4.html
『読書人』(2017年9月29日号/佐藤嘉幸氏・評)
『生活経済政策』(2017年11月 第250号武田宏子氏・評)
『日刊ゲンダイ』(2017年11月22日付/飯田哲也氏・評)
『図書新聞』(2018年2月24日号/西田慎氏・評)

出版社:法政大学出版局
発行年月:2017年7月

谷本陽一准教授

『早稲田民法学の現在』

浦川道太郎先生・内田勝一先生・鎌田薫先生古稀記念論文集編集委員会

民法学は人間の生活とともに発展するべきだという原点を東日本大震災は強く思い起こさせた。そうした思いを受けて、本書は、「生存」「居住」「安全」の3つのキーワードに関する30の主題に取り組む論文集である。本学法学部の谷本陽一准教授の「緊急応急対策における避難行動主導者の注意義務--東日本大震災津波訴訟の示唆-」を所収。

出版社:成文堂
発行年月:2017年7月

井上睦講師

『英国学派入門』

バリー・ブザン著、大中真・佐藤誠・池田丈介・佐藤史朗ほか訳

「国際社会」とは何か。アメリカの国際関係論とは異なる方法で国際社会を読み解く英国学派、その理論的先端を紹介する必携の書。泰斗バリー・ブザンの国際社会論、待望の初邦訳。
翻訳担当章は、第5章「ヨーロッパ国際社会の拡大」。

出版社:日本経済評論社
発行年月:2017年5月

加藤信行教授

『ビジュアルテキスト国際法』

加藤信行・植木俊哉・森川幸一・真山全・酒井啓亘・立松美也子編著

大学で初めて国際法を学ぶ学生諸君のために、写真や地図、図表などを豊富に盛り込みながら国際法の全体をコンパクトにまとめた入門的な教科書。初学者の目線に立ち平易な表現を心がけた。日本の国際法学者6人による世界的にも珍しいタイプの国際法テキスト。

出版社:有斐閣
発行年月:2017年4月

井上睦講師

『国際関係学—地球社会を理解するために(第2版)』

滝田賢治・都留康子・大芝亮編集

近現代国際政治の歴史と国際関係理論を踏まえて、様々なアクター、イシューを解説。国際政治・国際関係を初めて学ぶ人、さらに知識・理解を深めたい人に最適の書。激動する世界情勢に対応した最新版!グローバル化する地球社会を的確にとらえる。
執筆担当章は、第Ⅱ部第5章「従属論と世界システム論」。

出版社:有信堂高文社
発行年月:2017年4月

岩坂将充准教授

『中東・イスラーム研究概説―政治学・経済学・社会学・地域研究のテーマと理論』

私市正年・浜中新吾・横田貴之編著

(担当箇所 第15章「トルコ」)
現代の中東・イスラーム地域に関する総合的な研究案内。政治学や経済学、社会学といった社会科学からのアプローチだけでなく、地域研究的な考察も取り入れている。地域全体にかかわる課題や理論の紹介にくわえ、各国の現在の研究課題についても解説した、この地域について研究を始める際にぜひ読んでおきたい一冊。

出版社:明石書店
発行年月:2017年3月

五十嵐素子准教授

『ワークプレイス・スタディーズ:はたらくことのエスノメソドロジー』

水川喜文・秋谷直矩・五十嵐素子編

本書は「働くこと」を対象にした「ワークプレイス研究」の論集です。「ワークプレイス研究」とは、仕事/労働の現場やそこでのコミュニケーションに焦点を当てたフィールドワーク等を用いた研究を指しており、 本書では、寿司屋、ガンの相談電話、病院や整骨院、航空管制塔、リフォーム作業、授業のICT利用、ビジネスミーティング…といった様々な現場の活動が丹念に描かれています。(詳しい内容紹介はこちら)

出版社:ハーベスト社
発行年月:2017年2月