研究の成果として、法学部教員の近著を紹介します。

  • 2020
  • 2019
  • 2018
  • 2017

2020

瀬川行太准教授

『刑法演習サブノート210問』

井田良・大塚裕史・城下裕二・高橋直哉編著

(担当箇所 実行の着手(1)、実行の着手(2)、早すぎた結果の発生、不能犯(1))
刑法学全般にわたる重要項目を漏れなく選び、授業や教科書で学んだことを簡単な設例・設問で確認できるような本はできないだろうかとの狙いのもとに作成されたのが、本書です。本書は、刑法総論と各論の全般にわたる210の基本的項目をとりあげています。1つの項目につき表と裏の2頁の形式となっていて、表の頁には簡単な設例・設問、裏の頁には簡潔な解説が掲載されているため、読者にそれほど負担がかからないようになっています。本書に取り組むことで、初学者の方は刑法の基礎固めをすることができ、法科大学院の学生の方は、知識の欠落部分を補うことができるでしょう。

出版社:弘文堂
発行年月:2020年4月

2019

館田晶子教授

『二重国籍と日本』

国籍問題研究会編

(執筆担当:第6章「国籍をめぐる世界の潮流」)
国際結婚が当たり前になった現代において、重国籍は身近なものとなりました。日本の国籍法は重国籍を原則的には認めていませんが、そこにはいくつもの例外があり、にもかかわらずその内容や運用はあまり知られていません。更に、台湾出身者の国籍については外交問題とも絡んで複雑です。本書は、ジャーナリスト、弁護士、当事者、研究者など多彩なメンバーが、前半で台湾と日本のハーフ(ダブル)の国籍問題について、後半では重国籍の扱いを巡る日本の国籍法の問題点と国際的潮流について、わかりやすく解説します。

出版社:筑摩書房(ちくま新書)
発行年月:2019年10月

瀬川行太准教授

『刑事法の理論と実務①』

佐伯仁志・高橋則夫・只木誠・松宮孝明編者

(担当箇所 理論刑法学の最先端:「犯罪論における同時存在原則について」)
本書は、特定のテーマにつき、裁判官・検察官・弁護士各分野の実務家と研究者の諸論稿を掲載し、理論刑法学と判例・実務の架橋を目指すものです。また、理論刑法学を活性化させるために、「論争刑法」、「理論刑法学の最先端」、「海外の動向」なども、柱として盛り込まれています。更に、巻頭においては、これまで刑法学会を牽引されてきた諸先生方の論稿も掲載されています。

出版社:成文堂
発行年月:2019年7月

神元隆賢教授・飯野海彦教授・瀬川行太准教授

『刑事法入門』

神元隆賢・飯野海彦・瀬川行太著

(担当箇所 神元:第1・6・12章、飯野:第7〜11章、瀬川:第2〜5章)
法学部に入学したばかりの学生を対象とした刑事法の入門書。刑法、刑事訴訟法、刑事政策の概要とくにそれぞれの法分野の思考方法の違い、刑罰の意義とそれを巡る刑事法思想の歴史的展開を第1章で、罪数論を第6章で扱っている。各章の核心部分を冒頭にて把握し、読破後にそれを答案構成する手助けをしようという試みとして、冒頭に、定期試験を想定した「Question」、末尾にヒントに当たる「Questionへの考える視点」を置いている。

出版社:一学舎
発行年月:2019年4月

岩坂将充准教授

『「アラブの春」以後のイスラーム主義運動』

高岡豊・溝渕正季編著

(担当箇所 第6章「世俗主義体制における新たな対立軸の表出―トルコ・公正発展党と『国民』の世俗主義」)
2011年頃から始まった中東の政治変動、いわゆる「アラブの春」では、民衆によって次々に長期独裁政権が倒され、それまで抑圧されていたイスラーム主義運動は各国で自由と権力を手に入れていった。しかしその後は国づくりの過程で挫折し、運動はふたたび苦境に立たされている。こうした挫折はなぜ生じたのか、中東におけるイスラーム主義のあり方や国際社会への影響を考える。

出版社:ミネルヴァ書房
発行年月:2019年3月

横山純一教授

『転機にたつフィンランド福祉国家―高齢者福祉の変化と地方財政調整制度の改革』

横山純一著

本書は、1990年初頭の大不況時から今日までのフィンランドの財政・税制、社会保障、雇用、地方財政調整、地域経済を、現地調査を踏まえ分析したものである。フィンランドは良好な経済と財政を背景に1980年代後半に福祉国家となったが、1990年以降、大不況とEU加盟、リーマンショックとその後の長引く経済不振のなかで、福祉国家が変容した。民営化、規制緩和、福祉の見直し・削減、福祉給付の抑制が進むとともに、高い失業率に苦悩している。これらを実証し、フィンランドが転機にたっていることを明らかにした。

出版社:同文舘出版
発行年月:2019年1月

2018

四ッ谷有喜教授(法科大学院)・谷本陽一准教授

『論点体系 判例民法<第3版>7』

能見善久 加藤新太郎 編集代表

(担当箇所 四ッ谷教授は「寄託」「組合」「終身定期金」「和解」、谷本准教授は「請負」を執筆。)
最新の逐条解説式判例コンメンタール。条ごとに、実務家が押さえておきたい法律上の問題点を体系化し、論点ごとに判例の到達点をわかりやすく明示。初版以来、現在の判例の到達点を解説することに主眼をおいた構成がロースクール生・実務家に高く評価されてきた本書が、第3版では、最新判例・裁判例を大幅に補充し、民法改正に完全対応。特に、従来の判例と新規定の関係についての解説は読者必見。

出版社:第一法規
発行年月:2018年12月

中根研一教授

『UMA事件クロニクル』

ASIOS編著

(担当箇所 「野人(イエレン)」、「天池水怪(チャイニーズ・ネッシー)の項。)
超常現象の懐疑的調査のための会ASIOSによる、いわゆる「未確認動物(UMA=Unidentified Mysterious Animal)」事件を検証した一冊です。世界を騒がせた44件の有名なUMA事件を、年代ごとに考察。客観的事実やデータを元に、生物学・民俗学・文学等様々なアプローチで真相に迫ります。中根担当箇所では、現代中国の未確認動物事件を、その歴史的・社会的・文学的背景に注目しながら読み解いています。

出版社:彩図社
発行年月:2018年8月

中根研一教授

『ゆれるおっぱい、ふくらむおっぱい 乳房と図像と記憶』

武田雅哉編

(担当箇所 未確認動物〈野人〉のおっぱい)
共同研究プロジェクト「「乳房」の図像と記憶——中国・ロシア・日本の表象比較研究」の成果を中心とした、乳房論。様々な文化領域を専門とする執筆者たちが、豊富な図版とともに日本・中国・西洋の乳房の表象を真面目に読み解き、それぞれの地域・歴史の中で育まれてきた乳房観を概観しています。文学・美術・映画作品や、漫画・秘宝館に到るまで、その多彩なイメージの世界を紹介する一冊です。

出版社:岩波書店
発行年月:2018年5月

井上睦講師

『パワーから読み解くグローバル・ガバナンス論』

大芝亮・秋山信将・大林一広・山田敦編集

さまざまなアクターがひしめき合い,紛争,貿易,人の移動といった数多くの問題を抱える国際社会。この政府なき国際社会における統治のあり方を,問題領域ごとに丁寧に説明していく。進展著しいグローバル・ガバナンス論を「パワー」との関係から読み解くテキスト。
執筆担当章は、第9章「福祉」。

出版社:有斐閣
発行年月:2018年4月

菅原寧格教授

『法の理論36』

長谷川晃・酒匂一郎・河見誠編集

本書は日本法哲学会会員を中心とした論文集で、内容は特集・論文・前巻特集へのコメントとリプライ・反論と意見から構成されています。本号には、論文「中国における〈市民社会〉と〈法〉の行方―近時の市民社会論に寄せて―」を寄稿し、日中双方の学者による議論をベースにしつつ比較法学の視点も取り入れ、中国における市民社会と法の支配をめぐる問題について、これが日本の法学にとって決して無関係ではないことを論じました。

出版社:成文堂
発行年月:2018年3月

岩坂将充准教授

『中東・イスラーム世界の歴史・宗教・政治―多様なアプローチが織りなす地域研究の現在』

高岡豊・白谷望・溝渕正季編著

(担当箇所 第8章「現代トルコにおけるイスラーム・世俗主義・軍」)
中東およびイスラーム世界の各国の歴史・宗教・政治について、人々とのかかわりやフィールドワークをとおして分析した論集。モロッコ・アルジェリア・エジプト・アフガニスタン・トルコ・シリアといった中東諸国だけでなく、アメリカやタイなどの現代イスラームと関係の深い国も取り上げられている。また、古代から現代にいたるまで幅広い時代を扱っているのも、本書の特徴である。

出版社:明石書店
発行年月:2018年2月

2017

若月秀和教授

『冷戦の終焉と日本外交―鈴木・中曽根・竹下政権の外政 1980-1989年』

若月秀和著

1982年に首相となった中曽根康弘は、日本を「西側の一員」として明確に位置付け、ソ連に対抗する形で、レーガン、全斗煥、胡耀邦ら米韓中首脳たちと個人的親交を深め、国際社会における日本の存在感をアピールすることに成功する。圧倒的経済力を背景に、国際貢献に乗り出す日本外交だったが、その思惑は冷戦構造の終焉とリクルート事件による国内政治の混迷により、失速を余儀なくされた。

出版社:千倉書房
発行年月:2017年12月

寺島壽一教授

『世界の人権保障』

中村睦男・佐々木雅寿・寺島壽一(編著)

本書は、主要国における人権の保障と救済制度について、その現在の姿に重点を置きつつ、概観を試みた解説書です。人権の保障・救済制度化具体的なあり方は国により様々ですが、「人権」という概念そのものに「国・地域の違いを超えた普遍的な価値」という意味合いが含まれています。そこで本書では、人権の普遍性にかかわって、人権思想の歴史・人権の哲学的根拠、人権の国際的保障についても概説しています。

担当箇所:第5章 ドイツ(Ⅲ5を除く)

出版社:三省堂
発行年月:2017年9月

本田宏教授

『参加と交渉の政治学 ドイツが脱原発を決めるまで』

本田宏著

長年、原発問題の政治学を研究してきた日本では数少ない研究者としての成果である。①社会運動などへの市民参加,選挙競争,交渉の3つの論理を批判的なジャーナリズム,積極司法,批判的専門家団体などの要素が補完するシステムとして,ドイツ政治を包括的に捉えた。②脱原発を決定するまでに積み重ねられてきた政治過程の流れ、政策決定の条件、意見の異なる主体同士が相互作用を通して合意を形成していく過程を取り上げている。
以下に書評があります。
http://dokushojin.com/article.html?i=2130
http://www.h-up.com/books/isbn978-4-588-62537-4.html
『読書人』(2017年9月29日号/佐藤嘉幸氏・評)
『生活経済政策』(2017年11月 第250号武田宏子氏・評)
『日刊ゲンダイ』(2017年11月22日付/飯田哲也氏・評)
『図書新聞』(2018年2月24日号/西田慎氏・評)

出版社:法政大学出版局
発行年月:2017年7月

谷本陽一准教授

『早稲田民法学の現在』

浦川道太郎先生・内田勝一先生・鎌田薫先生古稀記念論文集編集委員会

民法学は人間の生活とともに発展するべきだという原点を東日本大震災は強く思い起こさせた。そうした思いを受けて、本書は、「生存」「居住」「安全」の3つのキーワードに関する30の主題に取り組む論文集である。本学法学部の谷本陽一准教授の「緊急応急対策における避難行動主導者の注意義務--東日本大震災津波訴訟の示唆-」を所収。

出版社:成文堂
発行年月:2017年7月

井上睦講師

『英国学派入門』

バリー・ブザン著、大中真・佐藤誠・池田丈介・佐藤史朗ほか訳

「国際社会」とは何か。アメリカの国際関係論とは異なる方法で国際社会を読み解く英国学派、その理論的先端を紹介する必携の書。泰斗バリー・ブザンの国際社会論、待望の初邦訳。
翻訳担当章は、第5章「ヨーロッパ国際社会の拡大」。

出版社:日本経済評論社
発行年月:2017年5月

加藤信行教授

『ビジュアルテキスト国際法』

加藤信行・植木俊哉・森川幸一・真山全・酒井啓亘・立松美也子編著

大学で初めて国際法を学ぶ学生諸君のために、写真や地図、図表などを豊富に盛り込みながら国際法の全体をコンパクトにまとめた入門的な教科書。初学者の目線に立ち平易な表現を心がけた。日本の国際法学者6人による世界的にも珍しいタイプの国際法テキスト。

出版社:有斐閣
発行年月:2017年4月

井上睦講師

『国際関係学—地球社会を理解するために(第2版)』

滝田賢治・都留康子・大芝亮編集

近現代国際政治の歴史と国際関係理論を踏まえて、様々なアクター、イシューを解説。国際政治・国際関係を初めて学ぶ人、さらに知識・理解を深めたい人に最適の書。激動する世界情勢に対応した最新版!グローバル化する地球社会を的確にとらえる。
執筆担当章は、第Ⅱ部第5章「従属論と世界システム論」。

出版社:有信堂高文社
発行年月:2017年4月

岩坂将充准教授

『中東・イスラーム研究概説―政治学・経済学・社会学・地域研究のテーマと理論』

私市正年・浜中新吾・横田貴之編著

(担当箇所 第15章「トルコ」)
現代の中東・イスラーム地域に関する総合的な研究案内。政治学や経済学、社会学といった社会科学からのアプローチだけでなく、地域研究的な考察も取り入れている。地域全体にかかわる課題や理論の紹介にくわえ、各国の現在の研究課題についても解説した、この地域について研究を始める際にぜひ読んでおきたい一冊。

出版社:明石書店
発行年月:2017年3月

五十嵐素子准教授

『ワークプレイス・スタディーズ:はたらくことのエスノメソドロジー』

水川喜文・秋谷直矩・五十嵐素子編

本書は「働くこと」を対象にした「ワークプレイス研究」の論集です。「ワークプレイス研究」とは、仕事/労働の現場やそこでのコミュニケーションに焦点を当てたフィールドワーク等を用いた研究を指しており、 本書では、寿司屋、ガンの相談電話、病院や整骨院、航空管制塔、リフォーム作業、授業のICT利用、ビジネスミーティング…といった様々な現場の活動が丹念に描かれています。(詳しい内容紹介はこちら)

出版社:ハーベスト社
発行年月:2017年2月