お知らせ学生の活躍

掲載日:2023.07.24

 2023年7月19日、法学部の津田久美子が担当する1年生向け基礎演習(2部)では、北海道新聞社編集局編集委員の関口裕士さんをお招きし、「意見交換会」と題してご講演と受講生との議論を行いました。  基礎演習とは、大学における学習で求められる基礎的な知識・技法を会得し、学生が自ら調査・分析・発表・議論を行う能力を養うことを目的とした、少人数制の授業です。2年次以降に専門的な知識を深めていく専門演習(ゼミナール)に向けての準備という位置づけもあります。

 この目的のもと、当基礎演習では、北海道新聞のSDGs関連記事約50本が1冊にまとめられた『北海道でSDGs』(北海道新聞社、2022年)を1学期のテキストとし、新聞記事の読解、ならびに「SDGs(持続可能な開発目標)」からグローバル化時代の社会課題・解決策について学び、考え、発表や議論を重ねてきました。そしてテキストを読み終えたタイミングで、『北海道でSDGs』の編著者である関口裕士さんに来ていただける運びとなりました。

 関口裕士さんは、SDGsはもちろんのこと、原発問題、核のゴミ問題、環境問題など「持続可能性」に関わる社会課題を幅広く取材され、数々の記事と書籍を出されてきたベテランの新聞記者でいらっしゃいます。

 授業では、まず関口さんより25分ほど「SDGsについて記者と旅する...」と題したご講演をいただきました。毎月必ず訪問する福島で撮影した立入禁止区域や汚染水タンクなどの写真、12歳の環境活動家が環境破壊を容認してきた大人を厳しく追及した伝説のスピーチの一節をデスクに貼って忘れないようにしていること、SDGsに「ない」ものはどれかというクイズの出題...などを通じて、とてもわかりやすく、そして興味深く、SDGsや持続可能性についての考えを深めることができました。

 次に、質疑応答・意見交換の時間を設け、活発な議論が行われました。受講生からは、SDGsへの関心をどう行動につなげられるか、取材先でSDGsの取り組みはどれほど熱心だったか、日本の苦しい財政状況でこれ以上の援助は可能なのか、といった質問が寄せられました。それに対し関口さんからは、豊富な取材経験にもとづく具体的なエピソードやご見識を多数ご回答いただきました。他にも、新聞社の現状や社会人としての質問にも答えていただきました。プロフェッショナルと1時間みっちり議論するという、非常に密度の濃い時間を過ごし、授業を終えました。

 何より、現場に足を運び、実際に見聞し、ファクトを集め、これを世間にわかりやすく伝える、というマスメディアの責務を担っておられる関口さんの言葉には、説得力があり、迫るものがありました。大学生活はじめての半期が終わろうとしているタイミングでこのような貴重なお話を伺うことができ、受講生にとっては、今後の学科選択や将来のキャリアを考えるうえでも学びの多い時間になったことと思います。

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