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掲載日:2022.04.07

3月18日に、第57回法学部カフェ「大学生活を振り返る」が実施されました。当日は感染対策のため、会場となった教室ではソーシャルディスタンスに配慮しつつ、卒業を控えた4年生を中心に座談会形式で行いました。また今回はZOOMによるオンライン参加者も多く、会場との活発な意見交換も見られました。
この様子を取材した法律学科3年生で新聞会の日野克基さんのレポートです。

第57回 法学部カフェ~大学生活を振り返る~

取材レポート Ⅰ部新聞会 日野克基

本学で3月18日に、第57回となる法学部カフェが開催された。大学生活を振り返るというテーマのもと、井上先生、加藤先生が聞き手となって法学部4年生6人――岡本ゼミから狩野さん、菅原ゼミから中村さん、井上ゼミから吉原さん、佐々木さん、岡部さんが体験談を語った。今回も取材許可をもらった私が聞くことのできた貴重な話を紹介する。

まず話題に上がったのは、コロナ禍による大学生活への影響だ。本年度の4年生は、コロナ前を2年、コロナ後を2年と、丁度半分ずつ過ごしたことになる。授業が対面からオンラインに変わり、飲み会や新歓が制限され、サークル活動もその大半が封じられた。人との出会い、関わり方、授業の受け方、課外活動など、影響を受けた部分は大きい。今回の法学部カフェに参加した6人の4年生は、どのような思い、経験をしたのだろうか。

コロナ禍による授業の変化

オンライン授業に変わり、レジュメを読むだけでは大事なものがわからない――と岡本ゼミの狩野さんは言う。対面授業では教員の声のトーンなどで授業における重要なポイントを判断していた分、それが無くなったことで苦労したそうだ。続けて大関さんも大学に行かないと授業が受けられない対面型からいつでも自宅で見られるオンライン型になり、授業を自分で受けなくてはならなくなり、かえってやりづらくなったと語った。自分がだらしないと何らかの期限が過ぎてしまう。佐々木さんも、この様な自発的行動を急に求められた為にうまく順応できず、期限切れで『終わった......』という経験をした一人である。ただ、オンライン授業に全員が否定的であったわけではなく、大関さんは対面授業では欠席時に友達がいないと大変であることを挙げ、後からでも見返すことができたり、繰り返し見ることのできるオンライン授業に対し肯定の立場をとっていた。

LMS、GPLUSによるトラブル

1週間ほど見ない内に、GPLUSやLMSに通知が溜まっていた――そんな経験はないだろうか。岡部さんもそのような経験をした一人であった。部活関連の情報や通常の全学生に向けた告知などが混ざってしまっており、見逃してしまったと言う。この問題に関しては教員側からも『LMSのQ&A機能などの今まで使っていなかった機能による混乱があった(井上先生)』『違う科目のレポートが送られてきて、生徒に再三通知を送ったが見てくれなかった』(加藤先生)などの言及があった。加藤先生によると教員の側もオンライン授業を色々と工夫して行っているそうだ。また、吉原さんは、大学に通うより自宅でPCを開く方が面倒だ、と話した。問題点は、教員の側からではどうにもし難いものである。6人の中で対面の方が良いと言った人が多かったのも致し方のない事だろうか。

サークル活動への影響

一部の学生にとって、授業以上に大きな影響を受けたのがサークル活動だ。運動系のサークルは一時期活動をほぼ全面的に規制され、その後もマスク着用前提の活動を余儀なくされた。岡部さんはアメフト部のマネージャーをしてしたが、アメフトという競技の性質上どうしてもマスクを外さなければならず(熱中症のリスクが高まるため)、ランニングやアップなどの時間ではマスクを着用するものの、ゲーム中は外すなどの対応をしていたそうだ。規制による影響により数人で集まって練習していた事もあり、その際の感染対策が上手くいかず感染者が出て問題になったこともあったという。とにかく大変だった、と岡部さんは締めくくった。

中村さんのバドミントンもコロナ禍によって活動が激減。文化系である狩野さんの法学研究会もほぼ活動が停止し、狩野さん自身も幽霊部員になってしまったという。

しかしながらマイナスの影響だけではなかった。大関さんの囲碁研究会はコロナ以前よりまして活発な活動を行っている。PCさえあればいつでも、どこでも遊べる囲碁の性質が功を奏したようである。ただやはりそういう良い影響を受けたサークルは少数派で、zoomで参加していた人のコメントからも(このカフェはzoomでリモート参加できた)Ⅱ部文芸部の厳しい現状が語られた。

SNSによる学生間の横のつながり

大関さんはコロナ禍の大学生活において、SNSで他大学の人と知り合い仲良くなったという。SNSをめぐる会話の中では井上先生、加藤先生のmixi世代と、今のSNSネイティブ世代によるジェネレーションギャップが露になった場面があった。井上先生の『フェイスブックは使わないのか』という問いに対し吉原さんの『50代の方の投稿を見るために使っている』という返しは会場からも笑いが漏れた。

コロナ禍での人との関わり

コロナの影響により、学生の、他の人との関わり方はどうなったのだろうか。岡部さんは、コロナ禍では部活とバイトの既存の人間関係しかなかったという。狩野さんは初代ガンダムを見たり、パチンコや競馬に親と行ったりなど、狩野さんが自称するところの『オールドタイプ』な趣味を満喫し、その結果として古い世代の人とのつながりが生まれた。吉原さんは議員インターンシップのNPOに参加、のちにスタッフとなり活動し、その結果できた友達と仲良くなったという。中村さんは高校のバドミントン部に指導する側として参加する機会があり、高校生と関わる事ができた。コロナ禍においても機会に恵まれれば人との付き合いは生まれるようだ。

就活と成績

今回の法学部カフェに参加した6人は、卒業後の進路も様々だ。公務員試験の勉強をしつつ既卒で就職も探す人、非常勤講師として働きながら教員試験を受ける人、就職が決まった人、もう半年大学生活を送る人......。全員が全員、順風満帆に新卒ですぐ就職とはいかなかったようである。これに関連し、就活についての話題が挙がった。取得単位がギリギリの人もいて、就活と単位取得の両立についての話が岡部さんより挙がった。『やるしかない。何かは犠牲にしなきゃいけない』と岡部さんは語る。中村さんも『2、3年生で単位を取っておいた方が良い』と続いた。ただ、佐々木さんは単位が残っていたものの就活にそこまでの影響はなかったという。佐々木さんは就活においてかなり成功した様で、複数の内定先から自分で選んで就職を決められたそうだ。内定を切り捨てる佐々木さんを見て、井上先生が唖然とするほどだったという。一方で、加藤先生からは『内定が貰えないと自分を否定されたかのように感じるかもしれないが、そのように思う必要はない』との指摘があった。その上で佐々木さんの『自分を落とす会社は見る目がないな』という感覚、『就活性である自分が、企業を選ぶ側である』という認識が大事だと述べた。井上先生も『就活性と企業のマッチングが重要』と続いた。

佐々木さんが就活において意識したことは『軸を作る』ことだったそうだ。佐々木さんが就活を行った業界は幅広かったものの、『どの業界にも使える就活軸』を作ることでESの志望動機欄などの難題をクリアしたという。これは是非参考にしてほしい。

総括・後輩へのメッセージ

カフェの時間も終わりが近づき、最後に後輩に対し6人からメッセージがあった。

岡部さん『後半の2年は出会いがなかったが、サークルなどで出会いがあった。総括すると楽しい大学生活だった』
佐々木さん『部活のマネージャーをやっていたし、人とのつながりは大学のおかげ』
吉原さん『なんとなく参加した会、なんとなくやってみたことで人と繋がった。気楽にイベントに参加してみることが大事』
中村さん『北海学園大学は駅直通だし、コロナ禍が明ければ、友達を誘ってどこにでも行ける。やりたかったことを4年間かけてやる、長期休みなどを無駄にしないことが大事』
大関さん『好き、に特化した大学生活を。大学では固定観念で自分を縛らない。何ができるか、何をやりたいかが大事。一人ぼっちだと厳しいから、能動的に声を掛けること』
狩野さん『Ⅱ部でも、昼にも大学に行ける。高校とは違い、やりたいことがある、話していて自分とはここが違うって思う人が多い。思考の引き出しが増え、考えが深まるのは凄く良いこと。誰かに話しかけることが大切』

取材を終えて

後輩へのメッセージを見ると、半数以上が『能動的な行動』を推奨していた。コロナ禍で受動的に流されるだけでは何も出来ず、何も為せない状況が続くが、自ら一歩踏み出せば道がない訳ではないようだ。私もこの法学部カフェの取材を申し込んだおかげで、就活において自分の希望分野を受け実際にそこへ就職したOBの方との繋がりができた。少なくともこの記事を開くという能動的な行動を起こしたあなたならば、きっと自分の未来を変えられるような一歩を踏み出し、コロナに負けない大学生活を送ることができるだろう。法学部カフェで話を聞かせて頂いた6人の先輩と、読者であるあなたの未来に幸多からんことを祈って、本記事の締めとさせて頂く。