お知らせ

掲載日:2021.10.12

NHK札幌放送局と、政治学科の髙橋義彦ゼミ・井上睦ゼミの学生が共同で、若者の政治参加について様々な視点から考える座談会が、10月5日に行われました。当日は感染対策のため、広い教室でソーシャル・ディスタンスに配慮しつつディスカッションを行いました。この様子を取材した法律学科2年生で新聞会の日野克基さんのレポートです。

「投票率考えてみた。」座談会を聞いて

法学部二年 一部新聞会 日野克基

若者の選挙率が低い――。近年問題とされ、様々な対策が講じられているが、一向に解決の兆しが見えない現状に対し話し合おうと、NHKと法学部の髙橋義彦ゼミ・井上睦ゼミの共催で、座談会が開催された。同じ法学部として、そして選挙権を持つ若者として、私はこの座談会、その第一回目を取材した。今回は座談会でどのようなことが話し合われたのか、それを聞いて私が、一学生としてどのような事を感じたか、またその舞台裏などを紹介する。

『当日のハイライト』

NHKの番組として本座談会は放映される。その為、大学構内にNHKスタッフが展開し、教室にカメラが入るという状況になった。

座談会開始前、NHKのセッティング

ゼミ生の入場。大型のカメラが彼らを迎える

自己紹介の模様。ファシリテータ―としてNHKの方もディスカッションに参加した

グループディスカッション開始前。10人のゼミ生が二つのグループに分かれて話し合う

グループディスカッションの様子がマイクで録音されている

上の写真とは別のグループ。議題に対し各々が付箋に考えを書き出していた

二つのグループが結果を報告する

今回集まったゼミ生、およびNHKの記者の方々

『政治って、わからない』

ない、ない、ない。今回のディスカッションでは、様々な『ない』が浮き彫りになった。例えば政党の公約。各政党の政策の、いったい何が違って、どういう特徴があるのか、よくわからない。政治家にどんな人がいるのかわからない。そもそも、政治ってどういうシステムで動いているのか、よくわからない......と、若者が政治に参画する、即ち自分の意思で、しっかり考えた上で投票するために不足しているものが、話し合いの中で多く見られた。その結果、今後の展望として他者に『アンケートを取る』『話を聞いてみる』という、知識を得るための行動をすべきだという意見が両グループから出てきたのは、この問題が多くの若者に共通するものだという証拠ではないだろうか。

『政治が私たちを見ていない』

政治家の掲げる政策が、自分たち若者にはなんら影響を及ぼしていないのではないか、という意見も見られた。実感できる政策は少なく、その他は特に、何か影響を感じたりはしないという。これは政党の政策がわからないという、先程も挙がった問題が関連していそうだ。また、地方と違って都市部の政治は比較的生活に直結するようなものが少ないことや、政治家の政策がお年寄り向けの物ばかりなのではないか、という疑念も噴出した。

『政治家と国民の距離』

政治家は互いに批判してばかり、という認識が、多くのゼミ生の中で共通のようだった。その固定認識が先行し、彼らが何をやっているのか、どういう政策を掲げているのかが不透明であるせいで、各政党の政策の比較ができず、その為だれに投票していいかわからない。自分たちの出した政策が、世に広まっているのかどうか。各政党が本当に、国民に対し向き合っているのかという疑問。政治家と国民の間に距離があるのではないかという仮説が出された。

『新しい選挙』

政治家が行う選挙活動の内容についても議論され、街頭演説やポスターなど従来の選挙活動の方式が本当に時代に合っていないのではないか、という意見が見受けられた。しかし、若者が使うSNSやインターネットで情報を発信するような新しいやり方でも、政策は広まらないのではないかという意見も出た。選挙カーなどの声は家にいても聞こえるため、宣伝効果としてはかなり期待できる。従来の方法を無くすのは得策ではない、という意見が出ると、複数のゼミ生がそれにうなずいた。

『感想――薄皮一枚、致命的な壁』

ディスカッションを聞いていて自分は、政治について関心を持ち、問題意識を持っている同学年ないし近い年代の人が、『何を調べたらいいのか解らない』と結局立ち止まってしまっている事へ深く共感した。無論私自身もその様な経験があり、その結果どうなるかというと、親から受け継いだ固定観念のまま政党の支持に回っている。各政党にとって、若者の層を支持者として取り込むことは、かなり効果のある作戦ではないだろうか。政治が知りたいと願う学生と、政策を発信したいと動く政党の間で、どうしてもズレが発生している。きっとそれは数歩歩けば解決するレベルのズレなのだろうが、その数歩が現状としては致命的なものなのだ。『知りたいと思ったときに、知りたいと思っただけ、知ることができる』という若者が愛用するインターネットやSNSの性質を、政党の政策発信が取り入れることができれば、若者の選挙率が低いという問題の解決へ向けた、一つの方法、道筋になるだろうと、私は取材の中で確信した。

ディスカッションは本来の予定時刻を大幅に過ぎるほど白熱した。その為ここで紹介できた内容はほんの一部である。この座談会のメンバーは今後も引き続き活動していく予定になっている。再び取材の機会があれば、続報をお届けしたい。

NHK記者の前嶋紗月さん(右)と日野さん

当日の座談会の様子は、NHKのニュース番組でも取り上げられました。NHKのサイトから見ることができます。

北海道 NEWS WEB
NHKと学生がプロジェクト「投票率考えてみた。」