教員紹介

教員紹介

川谷 茂樹

法律学科
川谷 茂樹 教授
Kawatani Shigeki

教育・研究活動
主要担当科目 倫理学Ⅰ・Ⅱ
研究テーマ これまでカント倫理学、スポーツやゲームの哲学を中心に研究してきたが、ここ数年ずっと考えているのは、人生がゲームであるという形而上学的可能性と、主体とは何かという問題である。それぞれバーナード・スーツ、スラヴォイ・ジジェクに触発されたものだが、一見無関係なこの2つのテーマをつなぐのが、「本当の意味で倫理的な行為とは何か」という(カント的)問いである。カントはこの問いに対して、倫理的な行為の倫理性を当該行為の外部(自己利益や幸福や公共の福利など)に求めることはできないという画期的な立場(倫理的内在主義)を初めて明確に提起した。そして、現在それをさらに徹底した立場を打ち出しているのがジジェクである。
教育・研究への取り組み 一般教養科目「倫理学Ⅰ」では西洋の代表的な倫理思想・道徳哲学を紹介しつつ、「倫理・道徳とはそもそも何なのか」を考察する。同じく「倫理学Ⅱ」ではバーナード・スーツ『キリギリスの哲学──ゲームプレイと理想の人生』(川谷茂樹・山田貴裕訳、ナカニシヤ出版、2015年)をテキストにして、ゲームと人生の関わりを考察する。「一般教育科目だけでは飽き足りない、哲学や倫理学をもっと深く学びたい」という意欲のある学生のために、英語の哲学書を少人数でじっくり読みこなしていく授業も計画中。また、正規の授業以外にも、自主ゼミなどを通じて個別的な学習指導も行っている。
その他
受験生へのメッセージ 誰しも「なぜ勉強しなくてはいけないのか?」という疑問を抱いたことがあるはずです。これはすぐれて哲学的で倫理学的な問いですが、わたしも正直ずっとよくわかりませんでした。が、最近ようやく1つの結論めいたものを得ることができたので、みなさんにもこっそりお教えします。勉強の本当の目的は、自由で自律的な主体として生まれ変わることです。人は何よりも、自由になるために、勉強しないといけないのです。受験勉強も大事ですが、それは「大学に入る」という暫定的な目標を達成するための勉強にすぎません。大学合格は勉強の最終目的ではなく、大学に入ってからが本当の勝負です。大学で一緒に勉強できるのを楽しみにしています。
趣味・特技 ウイスキー(スコットランド中心)を飲むこと。
おすすめの作品 夏目漱石『明暗』。未完の絶筆だが、個人的にはこれが漱石の最高傑作(ということは、日本近代文学の最高峰でもある)。合わせて水村美苗『續 明暗』もぜひ。
出前講義
メロスはなぜ走ったか?──カントで太宰を読む/太宰でカントを読む 太宰治の小説「走れメロス」のクライマックスでメロスはこう言います。「間に合う、間に合わぬは問題ではないのだ。人の命も問題ではないのだ。私は、なんだか、もっと恐ろしく大きいものの為に走っているのだ」。これまですべての読者を躓かせてきた、この謎めいた台詞を、18世紀ドイツの哲学者カントの「定言命法」という鍵概念を使って解読すると……?
キリギリスの悪夢──ゲームプレイと人生の哲学 バーナード・スーツという哲学者は、「理想的な人生とはアリのように働く人生ではなく、キリギリスのようにゲームをプレイする人生である」と主張しています。果たして本当にそうなのか? そもそも「ゲーム」って何なのか? この人生そのものが実はゲームだとすると?──スーツの著書『キリギリスの哲学』を紹介しながら、こうした「哲学的」としか言いようがない問いを考えます。