学部の取組み

法学部報座談会

北海学園法学部では年に2回学部報を発行しています。
最新号の企画は「外国語特集」。さまざまな言語を学び、使っている先生方、外国語を身につけたいと思っている学生に集まってもらい、外国語について語ってもらいました。

司会:北原博 先生(法律学科教授、担当科目はドイツ語)
教員:村上愛 先生、内山敏和 先生 韓永學 先生 鈴木光 先生
学生:土島愛夏莉さん(法学部政治学科3年生)、渡邊里穂さん(法律学科3年生)
外国語特集

出席者プロフィール

本日は外国語特集ということで、さまざまな言語を学び、使っている先生方、外国語を身につけたいと思っている学生さんに集まっていただきました。本日はドイツ語を担当しております私が司会を務めます。まずは自己紹介からお願いします。

村上
国際私法を担当しています。外国語は,小さい頃から英語,大学からフランス語,大学院からドイツ語を学びました。あとはお遊び程度ですが,大学でラテン語にも触れました。
内山
民法を担当しています。外国語は研究で使うということで学んだわけです。研究で使う外国語は、英語、オランダ語、ドイツ語、アフリカーンス語です。文献を読むという形で使っています。
マスコミ論を担当しています。私にとって日本語も外国語です。大学に入ってから日本語を学びました。英語は、中学からカリキュラムに従い勉強しました。フランス語は、高校から勉強しましたが、忘れました。韓国語は韓国で生まれたのでできます。
鈴木
担当は行政法・環境法です。外国語は、小さい頃からドイツ語と英語を学び、大学に入って中国語とロシア語を始めました。
土島
法学部3年です。今年の3月にカナダに英語留学。また、夏の2ケ月間、同じく英語を習得する目的でフィリピンのセブ島に滞在しました。
渡邊
私も法学部の3年生です。この夏、イギリスに2ケ月滞在しました。また、大学に入ってすぐ韓国語をちょっとだけ学んだこともあります。


外国語を学ぼうと思ったきっかけ

みなさん、いろいろな言葉を学んでいらっしゃいますね。どうして外国語を学ぼうと思ったのか、きっかけを教えてください。

村上
英語は小さい頃から勉強したほうが身につくという両親の方針で,英会話スクールに通っていました。自然と英語が好きになり,大学院博士課程のときに1年間休学してイギリスの大学院に留学し,修士号を取得しました。国際私法の分野ではフランス語やドイツ語の文献もたくさんあるので,こちらは必要に迫られて勉強を始めました。
北原
内山先生はオランダ語やアフリカーンス語といった学ぶ機会があまりない言語を学んでいるわけですが、どういうきっかけですか。
内山
そうですね。オランダ語は、大学院博士課程から勉強しました。ドイツ語の文献の中にオランダにおもしろい制度があると書かれてあったことがきっかけです。調べたら日本にオランダの資料はほとんどありませんでした。大学院で外国での調査研究の研究費の公募があり、師匠、兄弟子はドイツで申請すると思っていたそうなのですが、私は、ドイツ法文献ならば日本にあるのでわざわざいく必要ないと考えました。オランダで申請したところ通ったので、オランダ語を勉強せざるをえなくなりました。アフリカーンス語は、オランダ語の方言のような言葉です。何かのきっかけで読んでみたら意外と読めたので南アフリカにも関心を持つようになりました。
さきほどお話したように、大学に入ってから日本語を勉強しました。英語は第1外国語で必修でした。グローバル化に備え、英語以外の言語、第2,第3の外国語を勉強しなければならない風潮もありました。フランス語と相性があわなかったので、韓国に近い国として日本に興味を持ちました。韓国語と日本語は、文法も似ているので入りやすい言語でした。大学1年生から一般教養で勉強しました。除隊後、日本語をより本格的に学ぶため、1年休学して日本語学校に留学しました。その時、日本語能力が格段に上達しました。1度韓国に戻り、卒業してから本格的に日本に来ました。
鈴木
私の語学の原点はドイツです。小さい頃、フライブルク大学に留学する父に家族でついて行き、小学1年生までドイツですごしました。ドイツで学んだ文化や生活習慣は、私の人格形成に大きな影響を与えています。高校時代はロンドンでホームスティをし、大学時代は休みのたびに国外へ出てバックパッキングを楽しみました。北京大学や台湾大学の短期語学研修に参加したこともあります。就職後はボストン・カレッジ、コロラド大学ロースクール、および台湾大学に留学させていただきました。私は外国での暮らしや人々との交流が大好きなので、そうした機会を励みに勉強を続けています。大学で中国語を選択した理由は、欧米の言葉ばかりではなくアジアの言葉も学ぶことにより、自分の中でバランスをとりたいと思ったからです。


学生のお二人は語学留学で英語を勉強していますよね。英語をもっと勉強しようと思ったきっかけは何ですか。

土島
アルバイトが直接のきっかけです。バイトは服飾関係なんですが、勤務先がJRタワーなので外国人が頻繁に来店します。はじめはサイズの違いなどを説明するにも一苦労で、話したい、という気持ちがだんだんに高まりました。依然として就活とどっちにするか悩んでいるんですが、気持ちは「休学してもう一度、今度は1年間カナダに留学するぞ」に傾きつつあります。
渡邊
小学生や中学生から英語を学んできたのですが、どちらかというと苦手意識が強かったです。大学1年生のときに訪ねた台湾でも英語が一言も喋れずに落ち込みました。ただ、Kポップに憧れて韓国語を学んだりしているうちにだんだんと語学が好きになりました。就活が終わったら卒業前にもう一回留学することを目論んでいます。夢は海外勤務です。


外国語を勉強して良かった体験

みなさん留学なり在外研修で海外での生活を体験されていますが、外国語を勉強してよかったという体験を教えてください。

村上
英語に関しては,留学していたときに様々な国からきた留学生4人と一つ屋根の下で生活していて,みんな英語が母国語ではなかったのですが,英語をコミュニケーションツールとして毎日ワイワイ楽しく暮らせたのがとても良い思い出です。人との関わりというほかに,ニュースやドラマ,映画,小説など,英語がわかるとアクセスできる情報・娯楽が飛躍的に広がるなと思います。フランス語やドイツ語を勉強して良かったのは,英語を相対化するというか,それぞれの言語の特徴がより深く理解できるようになりました。
北原
英語相対化という話がありましたが、多様な文化を背景にした多様な言語があるわけです。みなさんにはぜひいろいろな言語を学んでいただきたいですね。
内山
そうですね。私は基本的に語学との関わり方は研究のためで、話すというよりは、読む方が中心です。普通の民法学者なら、英語とドイツ語かフランス語かができるわけです。それに加えて、オランダ、アフリカーンス語ができると、アクセスする情報が増えますので、他の人とは違う武器になります。綴りが同じなのに意味が全く異なるということもあり、興味深いです。
2年前に1年間在外研修でイギリスに行きました。ほかの国の言語を習得しておくとその国の人とつながりやすくなります。我々の仕事は、調べることが多いのですが、直接現地に調査に行かなくても、現地に友人ができれば疑問点を確認したり、文献で読んだことの実情を友人に直接きくことができます。日本語については、住んでいるので当然身につきます。海外の人が日本を評価する場合に、海外から見るのと実際日本に来て見るのとでは違いがあるはずです。私の場合は、両側から見ることができるので、総合的に日本を評価できると思います。語学を身につけることで得られるメリットは少なくないと感じます。
鈴木
先生方に同感です。外国語を勉強すると視野が広がり、物事を多角的・多面的に考える力を養うことができます。また外国人との交流を通じて、文化や個性の多様性と素晴らしさを知り、精神的に豊かな生活を送ることができます。私は英語と中国語を学んで本当に良かったと思っています。世界の公用語は英語と言われますが、全世界の約5人に1人は中国人なので、欧州や北米でも中国語を使う機会がたくさんあるのです。たとえばベルリン自由大学やコロンビア大学に資料収集に行った際は、中国語を話す図書館職員の方々に大変お世話になりました。言葉が通じると旅行も楽しいですし、美味しいビールにもありつけます(※重要)。まさに良いことづくしです!
土島
語学の醍醐味はなんといっても人とつながれること。たとえば、フィリピンはタガログ語と並んで英語が公用語です。英語だけで買い物もできるし友達もつくれる。海外で英語を学んだことで、最近は外国人のお客様にも頼られることが増えました。
渡邊
韓国語でも英語でも、その国の言葉が少し喋れるようになるだけで親近感がぐっと増しますし、すぐに友達になれます。
北原
相手の言葉を知っていると親近感を抱いてもらえます。ドイツでは英語を話せる人が多いのですが、ドイツ語だとやはり対応が変わります。英語以外の言語を学ぶことは、様々な人とつきあう上でよいきっかけになるのではないでしょうか。


お勧めの学習法

それでは次に、読者のみなさんも興味があると思うのですが、お勧めの学習法を教えてください。

村上
楽しくないとなかなか続かないので,好きになること,興味をもつことが第一だと思います。あとはなるべくその言語に触れる機会を増やすこと。文章を読んだり単語を覚えたりといったことももちろん大事ですが,音読やリスニングで「耳と口を馴らす」のも重要だと思います。
内山
基本的趣旨は同じです。私の場合は、外国語は薄く広く勉強している側面があります。1つの言語を深くやっているわけではありません。私がやっているのは同じ系列の言葉です。ドイツ語、オランダ語、アフリカーンス語は、非常によく似ています。1つを勉強するとほかの言語を学ぶ時の労力があまりかからないのです。日本語と韓国語も同じことが言えるのではないでしょうか。自分の場合、まず、その国の民法の教科書、民法の条文を読んでみます。文法が分からなくても、民法の場合、内容を推測することができます。私も、好きなもので外国語学んでいるわけです。
語学は、接する機会がないと忘れてしまいます。私は、韓国に帰ると言葉が変と言われることがあります。自分が習得を目指す言語があれば、それを使う環境に身をおくことが近道です。使用する国に滞在するのがベストではないでしょうか。住めば、書かなくてはならない、聞かなくてはならない。話さなくてはならない。私は、留学を勧めます。
鈴木
留学には大賛成です。私も言葉は現地で勉強するのが一番効果的だと思います。会話が通じる喜びや幸せは何にも代えがたいものです。また外国で暮らしてみると、言葉のみならず多様な考え方や文化も学べますので、それも魅力です。国内ではヴォイスオブアメリカ(Voice of America)を聴いています。ロシア語や中国語など40種類以上の言語で放送されている米国政府の国営放送で、話題が大変豊富なため、聴いて飽きることがありません。またインターネットの国際テレビ電話(Skype)を使って国外の友達と積極的に会い、話すようにしています。面と向かって実際に言葉を交わすことで、通じる喜びと通じないもどかしさの両方を体験でき、それがさらなる勉強の原動力になります。
北原
光先生はネットをうまく利用されていますね。Podcastなども使えますね。 土島さん 私も留学は絶対に勧めたい。前は、英語はやらされてた感がとても強かったんです。単語帳も無理矢理つくらされた。でも、興味がないと伸びないんです。それが、大学1年生のときチャドウィック先生の英語を取って変りました。あれが私にとって外国人に触れる原体験でした。留学が無理でも工夫をすればなんとかなる。たとえば、本学にはギフト(G.I.F.T.)というサークルがあります。とにかく興味を持つきっかけが大事。そして続けること。いまも、家では英語版のアニメをずっと流しっぱなしにしています。
興味を持つことはとても大事です。
渡邊
留学はつべこべ考えないことが大切なのではないかと思います。英語ができなくたって行ってしまえばなんとかなります(笑)。短い期間でしたが、それでもリスニングはけっこう上がりました。私も、日本に戻ってからは日本語字幕付きの海外ドラマの英語をいつも聴いています。
北原
外国語学習には量が必要です。大学の授業だけで身につくわけではありません。授業は学習のほんの一部です。やはり興味を持ってできるだけたくさん触れることが重要なのですね。
北原
さて、本日の座談会はいかがだったでしょうか。最後に感想をお願いします。
土島
北原先生たちの色々な経験をうかがって、留学は英語だけじゃないんだ、ということを痛感しました。次は密かにアラビア語に挑戦したいと考えています。
渡邊
私も先生方のお話をうかがってもっと勉強したい、と思いました。4年生になったらもういっぺん韓国語にチャレンジしたいです。それと、フランス語も!